前回は、イノシシの皮なめし方法をご紹介しました。
今回は、なめしたイノシシの皮を使った、本物の「イノシシマスク」を作り方をご紹介します。
本物のイノシシマスクを作ろう
【手順➀】完成形をイメージする
ものすごいデカいイノシシが手に入ったら、ジブリ映画「もののけ姫」に出てくるジバシリたちが使う偽イノシシの全身被り物を作りたかったんだけど、今回は小さいので諦める。
また、今回のイメージとしては、アニメ「鬼滅の刃」に出てくる「嘴平伊之助(はしびらいのすけ)」が被っているイノシシマスクを作りたいと思っていた。
だが現実は甘くなかった……
そもそも手に入ったイノシシが小さいという問題にぶち当たる
しかも、イノシシの頭って鼻先に向かって細長くなっているから、どうやっても伊之助のイノシシマスクの形にならないんだよね。
【手順➁】一度被って自分の頭のサイズに合わせていた
がしかし
硬くなった革を当ててみると、顔前面が丸出しになってしまう。
【手順➂】思い切って皮を裁断していく
自分の頭と同サイズの新聞紙頭部(トーブ君)を作り、イノシシの革に合わせて……
あんまり深く考えずに思い切って裁断してみた。(間違ってたら縫えばいいでしょ的なノリですみません)
でもとりあえずこれで頭の上半分はしっかりイノシシにすることが出来た。
後頭部の隅が尖っていてダサいので微調整する
革を直角にカットした関係で、上部の角2つが角ばってしまってダサいので少し微調整します。
小さな切込みを2つ入れることで
少し丸みを帯びた形になる
今回はイノシシが小さいため手足の皮もマスクのパーツとして使っていきます
後頭部に丸みを作るため、手足の革からパーツを生成して縫っていきます。
【手順➃】皮が硬く針が通らないのでキリで穴を空ける
はじめた手作業でイノシシ革に針を通して縫っていたのですが、革が硬すぎて針を通すのに精いっぱいになりました。
針を押し込みために真っ赤になった親指の腹をみて挫折したのは言うまでもありません。
上の写真のように、コルク(100均で売ってる)を下敷きにし、キリで強く押し付けるとしっかり穴を空けることができます。(ハンマーも写っていますが不要でした)
この方法もそれなりに大変ですが、手作業の苦痛と比べれば比ではありません。
レザークラフトの専用道具として「レザーパンチ」なるものも売られているみたいだよ。
縫う部分が分かっている縁に全て穴を空けておくとあとあと作業が楽になります。
【手順➄】裁縫糸で皮のパーツを縫っていく
まだまだ未完成ですがなんとなく形になってきましたね
脚のパーツが余っていたからなんとなくつけてみた。
この時点で、イノシシの全身の80%くらいの皮を使用していますね。
ちなみに視界はほとんどない上に、通気性は皆無です。デスマスクです。
口の部分から辛うじて見える程度ですね。
【手順⑥】一度形ができあがったら被ってみる
ホラー映画「サプライズ」に出てきそうでいいですね。
【手順⑦】視界が0なので前面の皮をカットしてみる
伊之助の被り物を作ろうとしていたばっかりに、前面に顔を出すスペースを作るのは誠に不本意でしたが、あまりにも視界が悪かったので空けることにしました。最高です。
【手順⑧】通気性が皆無なので口元に少し穴をあけてみたら快適
また、口元も完全にふさがっており、外部との会話が難しい状況だったので、少し切り込みを入れて穴を作りました。
まあ、呼吸穴がない時はない時で「フシュ―ホシュ―!!」っていってて獣っぽかったんですけどね。まじでキツかったので穴は空けたほうがいいです。
一応本物のイノシシマスクが完成!
少しこだわった部分➀高耐久かつポケット付きの延髄部分
人間の急所である脳幹の一部に「延髄」という部位があります。
イノシシマスクをかぶった状態での戦闘を想定した場合、敵は間違いなく急所を狙ってくるはずです。
そのため、後頭部の延髄に当たる部分の革を2重にすることで高い耐久性を実現しました。
また、2重にすることでポケットスペースを確保することが可能になったため、メリケンサックや小型ナイフなどの近接武器を隠すこともできます。
少しこだわった部分➁尻尾の位置
イノシシ全身の皮をマスクに使いことになったため、尻尾の位置には気を配りました。
どうですか、可愛いでしょ。
最後に
今回は、なめしたイノシシの皮を使った、本物の「イノシシマスク」を作り方をご紹介しました。
当初想定していた完成形とはかなり遠い仕上がりになってしまいましたが、とりあえず形に出来て良かったです。
制作期間は大体2~3か月ですね。かなり時間がかかりますが、みなさんもぜひ作ってみてください。
ちなみにこれをかぶった状態で山に入ると200%猟師に頭ぶち抜かれるのでご遠慮ください。
おわり