自然体験

クモ(ジョロウグモ)の糸から作った釣り糸で魚を釣ってみた|作り方の解説付き

「クモの糸を釣り糸にして魚を釣ることはできるのか?」

そんな好奇心丸出しな疑問に自信をもってお答えしよう

クモの糸で魚は釣れる

普段目にするクモの巣というと、人の手で簡単に壊せてしまうイメージがあるかもしれないが、実はクモの糸というのはかなり丈夫な素材なのだ。

束ねることで鉄と同等の強度があり、かつしなやかで伸び縮みする特性があるため、実用化に向けて注目されている。

さらに何万本も集めれば、体重65kgの成人男性がクモの糸にぶら下がることだってできるというではないか。(2015 大崎

ガリオ
ガリオ
だったら魚だって釣れるはずだ!!!

そう思った僕はすぐさまフィールドへ出かけてクモの釣り糸作りに取り掛かった。

そして先日、無事に魚を釣ることに成功したため、その方法を記事にまとめてみた次第だ。

この記事では、クモ(ジョロウグモ)の巣から糸を作る方法、耐久性、魚を釣る際の条件、クモの釣り糸の欠点などをまとめてご紹介しよう。

クモの釣り糸の作り方

➀出来るだけ大きめの蜘蛛の巣を探す

できるだけ大きい巣の方が長い釣り糸を作れるので好ましい。

今回は、材料として直径が50cm以上の巣を4つ使わせていただいた。

クモには申し訳ないと思っているが、人間の好奇心と科学(?)の発展には犠牲はつきものである。

➁蜘蛛の巣をねじりながらよって1本の糸にしていく

クモの巣についた不純物は気になるが、小さすぎるものは気にしていてもキリがないためまとめて1本の糸にしよう。

2mmを超える葉っぱのクズや虫の死骸があれば、糸の耐久性が落ちるので取り除こう。

造網性のクモであるジョロウグモの巣は全てが粘着性の糸ではない。

巣の中心から放射状に延びている「縦糸」は、ジョロウグモの足場であるため粘着物質は含まれていないのだ。

そのため、指で触れてみてもくっつくことはない。

とは言っても、縦糸だけ取り出すのは不可能なうえ、あまりに細すぎるので巣全体をよってある程度の太さがある糸にする必要がある。

粘着性がある「横糸」を混ぜることで糸がよくまとまるので都合が良い。

➂さらに強度を上げるため、同じものを4本用意し4つ編みする

フィールドで4つの巣から4本のクモの糸を採取したら、次はさらに強度を高めるために4つ編みにしていく。

結果から言うと3つ編みでは強度が不足すると考えられる。

いくら丈夫な糸だとは言っても、1本1本はそこまで強くない。

少し引っ掛けただけで糸の細かい繊維が悲鳴を上げるため気が抜けないのだ。

糸を1回編んだら奥までしっかり締めるようにしないと強度が高まらないので注意。

休日と精神を丸一日潰しながら慎重に4つ編みを行う事となった。

➃完成したものがこちら

一見ケバケバしているが、それなりの強度と伸縮性がある。「伸縮性」は「葛」の繊維にはない特徴だ。

伸縮性があれば魚が針を飲み込んだ瞬間に糸の重みを感じないため、違和感なくフック出来る。

ガリオ
ガリオ
もしかしたら本当に釣り糸に適しているのかもしれない

お決まりだが、指に巻けば当然にようにうっ血させることができる。

しかしこの画像を見てもいまいち強度が分からないと思うので、今回は重ねて耐久テストも行ってみた。次の見出しへ進もう

蜘蛛の釣り糸の耐久テスト

400gまではしっかり耐えた

プチ袋に重りを入れ糸を通してぶら下げてみた。400gまでの重さにならしっかり耐えた。

多少上下に揺らしてみたが切れる様子はない。

今回は試していないが、400g以下の小さなヤマメやイワナなら理論上釣れるかもしれない。

500gは一瞬耐えてそのあとちぎれてしまった

同じように500gの重さでテストしてみたが、一瞬耐えて切れてしまった。

コイやナマズなどの大型魚になると釣り上げるのは不可能と言えるだろう。

実際に魚を釣ってみることに…

クモの釣り糸に結んだのは1号の釣り針

今回は釣り糸としての有用性を確かめる実験なので釣り針は既製品を使わせてもらう。

今回作ったクモの釣り糸は、釣り糸というにはあまりにおそまつなほどぼさぼさだったので、1号という超絶小さい針に外掛け結びをするのは腰が折れた。

冗談抜きで30分くらいかかったし、途中でかんしゃくを起こしてやる気が無くなったりもした。

川へ来た

渓流竿に先ほど作った仕掛けを結んでいく。

餌は、みんな大好き「寄せ太郎」で十分だ。強引に丸めて針を隠す。

ポチャンッ……。

不安と期待の入り混じる中、軽く竿を振ってみる。

実はここまで来てなんだが、僕は魚が釣れる確信はない。

絶望するには十分すぎる労力と時間をかけてきたからだ。

待つこと10秒。

……

………

ピクッ…

ツンツン…ツンツン…

ビンッ!

竿がしなった

は…ッ!!!!!

ガリオ
ガリオ
釣れた……。しかも簡単に。

当初の目標を果たすとともに、クモの糸で魚を釣ることを証明できた嬉しさがこみあげてきた。

しかし喜びもそう長くは続かない。2匹目のカワムツを釣り上げたところで誤って糸が絡まってしまう。

とはいっても長くはないクモの釣り糸だ、慎重にほどけば面倒なライントラブルになることはある……まい……?

クモの釣り糸に異変が

粘着性が蘇ってしまった。

長く水に浸けていたことでクモの糸がもつ粘着性が表れてしまい、ライントラブルというか糸と糸がくっついてしまった。

当然針を結んだ部分もふやけてしまい、再び結べるような状態ではない。

クモの釣り糸は、釣り糸としての機能を失ってしまった。

結論:クモの糸で魚は釣れるけど長くは持たない

見出し通りだが、クモの糸で魚を釣ることはできるが、粘着性が出てしまうので長続きはしない。

現段階で思い浮かぶ解決法は2つある。

  • 粘着性のない糸を使う
  • 粘着性を取り除く加工をする

現代の技術ならどうにかできそうなもんだが、昔の人に粘着物質を取り除く加工技術はかなっただろうし、縦糸だけあつめるのもコストパフォーマンスが悪かったように思える。

クモの糸が釣り糸として文化にならなかったのは、ここらへんの欠点を上回るメリットがなかったからではないだろうか。

今回、僕はクモの釣り糸で魚を釣ることを証明したわけだが、それと同時にクモの糸が釣り糸に適していないことも分かった。

自然界には様々な素材があるし、生き物たちには驚くべき能力がたくさん秘められている。

今回たまたまクモの糸に興味を持ったわけがだ、他にも面白そうな素材があれば色んなものを作っていきたいと思う。

おわり

ガリオ
ガリオ
そんじゃさいなら!

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